アルファード、ヴェルファイアのエグゼクティブパワーシートで快適なR129ジュニアシートはどれ!?実物で徹底比較!

アルファード(40系)

アルファード、ヴェルファイアの売れ筋モデル、Zグレードで採用されているエグゼクティブパワーシート。名前の通り社長さんみたいな人が乗るにはちょうどいいシートですが、一般家庭で乗ろうとするとチャイルドシートやジュニアシートの使い勝手がとても悪いです。4歳くらいまでの5点式シートベルトであればチャイルドシートの取り付けさえできれば問題ないのですが、3点式シートベルトのジュニアシートは利用不可レベルのものあります。

2024年から日本でも本格的に普及しはじめた最新の安全性規格ECE-R129対応のジュニアシートを使うことにしたのですが、ネットでいくら調べてもエグゼクティブパワーシートで快適に使える製品があるのか?調べても出てきません。ならば、自分でやってやる!ということで無駄にR129対応ジュニアシートを4種類買ってみました!

何故、エグゼクティブパワーシートでジュニアシートが使いにくい?


写真の通り、巨大な固定アームレストがあり、3点式シートベルトを締めようとすると手が入りにくい構造です。一昔前のECE-R44のジュニアシートは全体的にコンパクトでどの製品でもそれなりに使えたのですが、R129は側面の防御力強化や腹部へのダメージ軽減を目的としたシートベルトのずり上がり防止のためバックル付近の構造が変わって大型化しており、エグゼクティブパワーシートとの相性が抜群に悪いんですね。

メーカー公式サイトで対応車種の情報はありますが、例え〇となっていたとしても「うん、、、これはストレスになる。無理。」っていうのもあったりするので、実際に使ってみて評価してみようと思います!

ベルトを延長するエクステンダーはだめなの?

ネットで調べていると、激安中国製や、輸出用のTOYOTA純正パーツにベルトを延長するエクステンダーがあり、ネットで販売されているのを見つけました。激安中国製は論外として、ここからは何を信じるか?って話ですが、個人的には日本で正式に販売されてないというのは、子供の安全を考えると利用する気になれませんでした。アルファードでの利用は加工がいる場合もあるようですし、公式ではないのでその辺はやってみるしかないようです。法的なものか、役所的なことか、そもそも日本は5点式シートベルトで卒業する人が多くて需要が無く販売してない、といったことが考えられますが、いずれにしても国内で正規販売されてないものなので、ここでは除外します。

比較するジュニアシートは全部でR129製品4個 + R44製品1個!

詳細は別の記事にするので、ここでは軽く概要のみ紹介です。安全性と記載しているのは、世界一信頼性と高度な試験を行っていると言われるドイツの消費者団体ADACの評価と、国内では独立行政法人 自動車事故対策機構の評価を参考にしています。
参考 ADAC公式サイト
※ADACの結果についてドイツと日本で販売している製品が全く同じかわかりませんが、ジュニアシートはそのまま輸入されていると思われるので、十分参考になると思います。
参考 独立行政法人 自動車事故対策機構

何故この4機種で日本メーカーの製品がないのか?

僕個人の感想でしかないのですが日本メーカーはあまり信用できない、と感じているからです。ヨーロッパ万歳!というつもりは全くありません。むしろ日本メーカーに頑張ってほしくていろいろ調べたのですが、やはりADACのように厳密な評価がさ れてないことは大きく、さらに法的にも国民の認識の面でも、ヨーロッパより遅れているなと感じる次第です。(そもそも車をドイツ車にしろ!というのは置いとくとして)

また、世界的に見れば日本のメーカーはシェアが小さく、ほぼ国内でしか販売されていません。レーマー、マキシコシ、Joie等は全世界で販売されており、どのような国の基準でもクリアできるように作られています。そこは大きな違いかなと思っています。

R129 4製品 + R44 1製品 これをテストします!

①britax romer社(ドイツ) KIDFIX i-SIZE ※R129適合製品

言わずと知れた、世界No1のブランド力を誇るレーマーの中でも、ハイエンドに位置するKIDFIX i-SIZEです。安全性、使い勝手、価格(高い)、いずれも世界トップクラスの製品。肩の部分にプロテクター、腹部ずり上がり防止の股ベルト、いずれも安全性を突き詰めた結果のようです。

2025年5月時点で公式サイトの適合は、2列目○、3列目○(注釈4はシートベルト固定のみを示すため問題なし)となっています。
代理店AIRBUGGYの適合車種リスト

②MAXI-COSI社(オランダ) RodiFix R i-Size ※R129適合製品

レーマーに次ぐ世界的メーカー、マキシコシのローエンドモデル。ローエンドといっても中価格帯で、そこそこの値段はします。

2025年5月時点で公式サイトの適合は、2列目○、3列目○(注釈4はシートベルト固定のみを示すため問題なし)となっています。
代理店AIRBUGGYの適合車種リスト

③Joie社(台湾、イギリス) i-traver ※R129適合製品

親会社は台湾の明門集團(Wonderland Group)で、イギリスを中心にしたブランド。自転車やPCパーツ等と同じようにOEMで製造をし技術力をつけて、2008年に自社ブランドを立ち上げました。高い安全性と低価格を両立する、超ハイコスパメーカーの主力製品。ただし稀にやらかす製品があるので、安全性は必ずチェックしたほうがいいです。我が家はベビーシート、ベビーカーもJoie!

なお、現在はi-traver シグネチャーという後継品に切り替わっていますが、見た感じでは形状はほぼ同じようです。

2025年5月時点で公式サイトの適合は、2列目○(注釈28 座席の側壁が干渉し取り付けが困難)、3列目○となっています。
代理店katojiの適合車種リスト

④Nuna社(台湾、オランダ) AACE lx(エースラックス) ※R129適合製品

こちらも親会社は台湾のWonderland Groupで、Joieより少し上の価格帯のオランダのブランド。日本での製品展開が少なく知名度は低いですが、ヨーロッパではまぁまぁメジャーな様子。Joie同様、稀にやらかす製品があるので、安全性は必ずチェックしましょう。

2025年5月時点で公式サイトの適合は、2列目○(注釈28 座席の側壁が干渉し取り付けが困難)、3列目○となっています。
代理店katojiの適合車種リスト

⑤日本育児社(日本) トラベルベストEC-fix ※旧規格R44適合製品
R44の時代ではそれほど人気のなかった製品ですが、R129へ切り替わってからはR44の中でも超コンパクトな本製品の人気が上昇しているようで、メルカリ等で当時の新品価格(16,000円)とまではいかないものの、未だに10,000円以上で取引されています。かくいう僕も、他のR44ジュニアシートは全て手放しましたが、EC-fixだけは3人がけがどうしても必要になった時用として残しています。

実際に取り付けてみる!さっそく結論!

僕の手は男性の中では少し小さく手首は細いので、手の大きな男性はこれよりも評価が下がると考えてください。

適合規格メーカー製品名シートベルトの締めやすさ本体着脱のしやすさ
R129britax romer KIDFIX i-SIZE
R129MAXI-COSI RodiFix R i-Size
R129Joiei-traver
R129NunaAACE lx ×
R44日本育児トラベルベストEC-fix
評価は以下の通りです。
◎ 快適に使える
○ 普通に使える
△ ぎりぎり使える
× これは無理

シートベルトの着け外しはRodiFix R i-Sizeの圧勝で、次点でKIDFIX i-SIZEでした。持っている製品の中ではこの2製品なら使える範囲だと感じました。ただし、本体の着脱についてはRodiFixはいまいちなので、悩ましいところです。

番外編ですが、トラベルベストEC-fixはさすがの超コンパクトモデルだけあって、全く不自由なく使えました。3列目や他の車で3人がけする時には重宝するので、もし今お持ちであれば予備で保管しておいても損は無いでしょう。

実際の画像を比べてチェック!

運転席の後ろにジュニアシートを設置して試しました。車のシートもジュニアシートもほぼ左右対称なので、助手席側に設置しても同じ感じになります。

①britax romer社(ドイツ) KIDFIX i-SIZE ※R129適合製品


シートベルト締め:隙間はあまりありませんが、形状がちょうど良く意外と手が入ります。指先でシートベルトのバックルを押すような感じで挿し込めます。外すときも指をまっすぐにして押すようにすれば簡単に外すことができます。


シートの着脱:座面を前にスライドすることで十分な隙間ができるので簡単です。isofixのロックも外しやすく問題はありません。


総評:少し慣れは必要ですが十分利用できます。日本では全く意識されていませんが、抜群のブランド力、ADACでも最高レベルの安全性とメーカーの高い理念、質感、エクゼクティブパワーシートとの相性。いずれも高評価です。欠点は価格が高い(4万円)こと。取り外しが多いならダントツでおすすめ!

②MAXI-COSI社(オランダ) RodiFix R i-Size ※R129適合製品


シートベルト締め:隙間が十分にあり、指先で押すようなことをしなくてもバックルを摘まんで手が入ります。少し狭いですが比較した中で最も使いやすく、ストレスはほとんどありません。これなら大きな手の男性でも大丈夫でしょう。


シートの着脱:座面がスライドしないためこれ以上の隙間を広げることができず、さらにロック解除が片手ではやりにくいため取り外しは毎回苦労します。早ければ1分、長いと3分くらい格闘するくらいで、夏場は汗だくになるほどです。別の車と共用するなど、外す機会が多い人は大変でしょう。


総評:比較した製品の中で、最もシートベルトの着け外しのしやすい製品です。メーカーとしてもレーマーほどではないにしても、ブランド力、安全性ともに高く、価格は下位モデルだけあって3万円前後で購入できます。isofixを外すのが大変なので着脱が多い人には向きませんが、車につけっぱなしにする人には最良の製品だと思います。

③Joie社(台湾、イギリス) i-traver ※R129適合製品


シートベルト締め:指を真っすぐにすればぎりぎり手が入るので、バックルを指先に当ててバランスよく持って押し込んでなんとか着けられました。手の大きい(厚みのある)人は痛いかもしれません。


シートの着脱:この状態では隙間がありませんが、座面を前にスライドすることで十分な隙間ができるので簡単です。isofixのロックも外しやすく問題はありません。


総評:手の小さな人であれば辛うじて使えますが、男性の半分はギブアップするでしょう。Joieブランドらしくとても安価で、その割にはADACの評価が高いので、製品としてはとても良いのですが、エグゼクティブパワーシートとの相性が悪くおすすめできません。手の小さな人でどうしても価格を抑えたい方は選択肢としてはありです。

④Nuna社(台湾、オランダ) AACE lx(エースラックス) ※R129適合製品


シートベルト締め:シートベルトガイドが絶妙な位置にあり、手がほとんど入りません。子供が乗ってない状態でなんとか取り付けることはできましたが、子供がいたらかなり厳しいです。そして、シートベルトガイドが尖っているので、わりと本気で痛いです。


シートの着脱:座面を前にスライドすることで多少隙間ができます。isofixのロックは外しやすいので、狭いですがそれほど苦労はしません。


総評:手の小さな人でも厳しいです。なんとか手が入ったとしても、同価格帯のRodiFix R i-Sizeを選んだほうが良さそうです。質感はとても良いんですけどね。

⑤日本育児社(日本) トラベルベストEC-fix ※旧規格R44適合製品


シートベルト締め:余裕!


シートの着脱:余裕!


総評:快適!(でも旧規格)

僕ならRodiFix R i-Size か KIDFIX i-SIZEの2択!

■車に着けっぱなしにするなら
マキシコシのRodiFix R i-Size!

■取り外す機会が多い or 子供が自分で締められるなら
レーマーのKIDFIX i-SIZE!

実際、まだシートベルトを自分で取り付けできない下の子にはRodiFix R i-Size、自分でできる上の子はKIDFIX i-SIZEを使っています。

KIDFIX i-SIZEは子供の小さな手であれば楽々と取り付けられていますから、高価であること以外にデメリットはありません。価格はブランドへの安心料だと思えば許容範囲かと思います。

RodiFix R i-Sizeは本体着脱以外は抜群に良いので多くの人で第一選択となるでしょう。普段のシートベルトのバックル着け外しのストレスがほぼ無いのは素晴らしいです。

以上、参考にしてもらえればと思います!

コメント

タイトルとURLをコピーしました